トランジスタ

トランジスタはちょうど、スイッチボタンの役割を果たすような電子部品です。我々がトランジスタというと通常バイポーラトランジスタを指します。 バイポーラトランジスタはNPN型とPNP型の2つの種類があります。いずれも3本の線があり、それぞれの線をベース(B)、コレクタ(C)、エミッタ(E)と呼びます。 このうちのベースがスイッチに当たる線です。NPN型トランジスタの場合、ベースからエミッタに向かってほんの少しだけ電流を流すと、 コレクタからエミッタに向かって電流が流れ出します。ベース・エミッタ間に電流を流さなければ流れません。 このようにベースに電流を流すか流さないかによって、コレクタ・エミッタ間の電流を制御することができます。 電流をほんの少しだけと書きましたが、ベースのわずかな電流の流れによって、コレクタ・エミッタ間の 電流の大きな流れを制御する電流の増幅という重要な性質もあります。ただし、CPUの動きを知るだけでしたら、 あまりこの性質を気にする必要はないかもしれません。
くどいようですが重要なのはトランジスタはスイッチに当たる部品で、しかもそのスイッチは手で切り替えたり可動する部分がなく、 電流や電圧の小さな変化=電気自身の力だけでオンオフできるということです。 これは複数のトランジスタを繋げて組み合わせていけば、トランジスタ自体のスイッチを次々に制御し任意の動作をさせることができることを意味します。 実はCPUはトランジスタ同士を繋げて、スイッチを切ったり入れたりを繰り返して、カスケードして計算を行っているだけなんです! と言っても過言ではないでしょう。
図1-4 トランジスターを使ってLEDの点灯を切り替える
図1-4が実際のNPN型トランジスタを使った回路です。ベースからエミッタに流れる電流は少しでよいので、手前に大き目の抵抗(100kΩ)を入れています。 抵抗を入れないと短絡状態になりトランジスタが壊れるので注意してください。トランジスタ部品の型番は最もよく使われる、(しかし昔から生産中止になるという噂のある) 2SC1815を想定しています。
トランジスタの部分がスイッチの役割を果たします。ベースの手前に物理スイッチがありますが、実際にはなくても 物理スイッチと100k抵抗間の導線を5V側(緑)に繋げるか否かで電流の流れのオン・オフを制御できるということが重要です。

図1-5 PNPトランジスタを使ったLED点灯回路(上: シミュレーター, 下: ブレッドボードでの組み立て例. トランジスタは左からエミッタ、ベース、コレクタ)
図1-5はPNP型トランジスタを使った例です。こちらは導線をマイナス側に接続すると電流が流れだしLEDが光ります。NPN型とはベースから導く電流の方向のプラス・マイナスが逆になります。 NPN型は+側から電流を押し付けてLEDを点けるイメージ。PNP型は-側から電流を引っ張ってLEDを点けるイメージになります。